COZYBEEで過ごす毎日の中には、レッスンのこと、子どもたちとの何気ない会話、教室をつくっていく中で感じたことなど、残しておきたい出来事がたくさんあります。
ここでは、そんな日々の中で心に残ったことを、少しずつ綴っていきたいと思います。
今回は、ある生徒さんの何気ない一言から、改めて気づいたこと、感じたことを残したいと思います。
「先生なんでも出来るじゃん!」
COZYBEEのTシャツが完成して、生徒さんに見せたときに言われた言葉。
その生徒さんとは、もうすぐ一緒にレッスンを始めて2年になる。今のような教室ができるずっと前。
移転前のCOZYBEEは、「日本習字 森教室」という名前で、シェアオフィスの一室を借りて、ひっそりとレッスンをしていました。
専用の教室があるわけではない。
毎回使う部屋が変わる。個室が満室のときには、大部屋のようなスペースで、周りを気にしながらヒソヒソ声でレッスンをしたこともある。
看板もない。
03から始まる電話番号もない。
作品を飾るスペースもない。
本当に、何もなかった。
ただ、そこに私がいて、
生徒が来て、一緒に習字をやっていた。
そこからいろいろな変化があり、教室を移転することになった。
今の教室ができて、その生徒さんを初めて連れてきた日のこともよく覚えている。
教室の中をぐるっと見渡して、
「うん、ここは良い教室だねぇ」と言った。
まるで物件をチェックしに来た大人のような言い方で、笑ってしまった。そして今回、Tシャツを作った。
デザインを考えて、色を決めて、何度も調整して。完成したものを見せると、
「先生なんでも出来るじゃん!」と言われた。
当たり前だが、なんでも出来るわけではない。
Tシャツをつくることも、教室をつくることも、ホームページを作ることだって、最初から知っていたわけではない。
分からないことは調べる。
うまくいかなければやり直す。
失敗することも、迷うこともたくさんある。
それでも、「やってみたい」と思ったことを、一つずつ形にしてきた。その中で、迷惑をかけた事も、今もかけ続けていることだって、ある。
振り返ってみると、この2年間、その過程をずっと近くで見てくれていた生徒なのだと思う。
小さなシェアオフィスから始まって、
新しい教室ができた。
机や椅子が増えた。
作品を飾れるようになった。
英会話の教室ができた。
先生が増えた。
そして、COZYBEEのTシャツができた。
私にとっては、どれも毎日の延長にある出来事だった。でも、生徒から見れば、
“先生がまた何かつくった”という一つひとつの出来事だったのかもしれない。
生徒たちは本当によく気づく。
「あれ、こんなのあったっけ?」
「先生、またこれ作ってる!」
昨日までなかったもの。
少し変わった場所。
新しく増えたもの。
大人が思っている以上に、子どもたちはよく見ている。私は普段、そんな子どもたちの成長を見る側にいる。
筆の入り方を教える。
その日はできるようになったのに、次に同じ動きが出てくると、また忘れている。もう一度教える。その次も、また教える。
何度も何度も同じことを伝えているうちに、ある日、何も言わなくてもできるようになっている。
以前は黙って止まっていた子が、
「ここが難しい」
と言えるようになっていたりする。
そういう小さな変化を見つけて、
「できるようになったね」
と伝えることが、私の仕事のひとつだと思っている。
でも、子どもたちもまた、私たち大人のことをずっと見ている。考える、迷う、失敗する、やり直す、そして、またやってみる。
そんな姿も全部、子どもたちの目には映っているのかもしれない。
「先生なんでも出来るじゃん!」
その言葉を聞いたとき、ずっと、心に残った。
褒められた、という感じではなかったけど、
シェアオフィスで一緒にレッスンをしていた頃から今日までを、この子がずっと見ていてくれたのだと気づいたからからもしれない。
私は子どもたちの成長を見ている。
でも同じ時間の中で、
子どもたちもまた、私やこの教室が変わっていく姿を見ている。
そう思うと、なんだか不思議で、嬉しかった。これからもCOZYBEEは、きっと少しずつ変わっていく。
そして何年か経ったとき、
「あの頃、こんな教室だったよね」
「こんなことがあったよね」
「なんであんなに怒られたんだっけ」
「なんであんなに笑ったんだっけ」
そんな話を、生徒たちと笑いながらできたらいい。
大人になったみんなが、
「先生、久しぶり」
と、ふらっと帰ってこられるような場所になったらもっといい。
子どもたちの成長を見守りながら、
私自身も、この教室と一緒に成長していきたい。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
